京都府の景況 厳しい経営環境に先行き不安感増す
全体の景況 =一部の業界において回復が見られるものの、円高・消費の
低迷・価格競争など中小企業を取り巻く経営環境は依然と
して厳しい。各業界・企業において打開策を見出す取り組
みが行われているが、先行き不安感は増しており、迅速か
つ有効な景気対策・支援が求められている。
◇製造業◇
・繊維工業 =和装、洋装業界ともに好転の兆しが全く見えていない。国
民文化祭に絡めて各所できものにかかるイベントが満載で
あるが、その華やかさとはうらはらに市場は寂しい限りで
ある。
・出版、印刷 =前月の低迷状況より、多少ではあるが仕事量が増加傾向に
ある。
・鉄鋼、金属 =全体的には、東日本大震災の影響はほとんどなくなり、震
災前に戻っている。ただし、今後の見通しは決して良好と
は言えず、先行き不安を感じている企業が多い。
・一般機械等 =一部業態に復興需要が反映し始めているが、大規模設備投
資は依然低調な状況にある。円高により大企業のグローバ
ル化が加速しており、生産・調達の海外シフトが強化され
始め、下請型中小製造業は経営の抜本的な見直しに差し迫
られている。
・その他製造業=プラスチック製品製造業界では、東日本大震災直後の落ち
込みからの回復傾向は、円高の影響がコストダウンの圧力
を伴い回復の足かせとなってきつつあり、更には空洞化の
加速化の危機意識を募らせている。
◇非製造業◇
・卸売業 =化学製品卸売業界では、再度、リーマンショック当時まで
悪化していると思われる。繊維・衣服等卸売業界では、東
日本大震災以降、和装については廃業が例年よりも多く、
体力のない先については依然厳しい状況が継続している。
・小売業 =写真機・写真用品小売業界では、大手量販店の「送料無料
」の企画が大きく、どのような商品(100円程度のもの
)でも通販で送料無料になってしまうため、物販面では非
常に厳しい状況である。家電小売業界では、7月24日の
地デジ化以降、売上金額は全体及び商品ごとでも大きく落
ち込んだ。
・商店街 =9月は2つの台風の襲来で人通りは少なく、消費も冷えて
いた。10月以降本格的な観光シーズンに入るが、天候の
状況により紅葉のタイミングが人出の大きな要因になると
思われる。
・サービス業 =旅館業界では、東日本大震災後、落ち込んでいた国内のお
客様は伸びて例年に近づき、修学旅行も順調である。一方
、海外からのお客様は国によりバラツキがあるももの、依
然低調である。
・建設業 =夏に比べて仕事の数は出てきているが、条件は良くない。
仕事はあっても好況感はなく、本当の回復につながりそう
か様子見のままである。
・運輸、倉庫業=運送業界では、荷動きについては、好転した様子はない。
燃料価格については、値下げされ今後も下がると思われる
が、円高の影響による値下げはないものと思われる。倉庫
業界では、保管貨物の全体の動きは、入庫、出庫とも前年
に比べ減少が続いている。
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