企業の血液にあたる資金を正常に循環させるためには、日頃の
売掛金の管理が重要になります。組合員さんから質問があったの
で通常の取引における売掛金の管理のごく基本的な部分について
簡単にまとめました。法的な回収等については、弁護士や司法書
士への相談をお勧めします。
1. 得意先ごとの売掛金管理台帳の整備
○ 締め日・回収日・残高を整理しておく。
○ 新規に継続取引を行う場合、得意先の資産状況に応じて
保証金等の担保提供を求めるかどうか判断する。
2. 得意先ごとの売掛金の状況を把握しておく
○ 入金予定日、入金予定金額、残高を常に把握しておき、回
収した金額がどの売上に対応するものか常に把握しておく。
3. 取引は与信限度内に留めておく
○ 事前の取り決めと実際の入金状況等勘案して、下記の兆候
が現れたら取引の内容を見直す。
(1) 回収日が徐々に遅れる
(2) 取引期間ごとの全額回収が困難になってきた
(3) 分割支払い、手形支払、小切手の換金期日の指定など
(4) 手形サイトの延長など
4. おかしいと思った時は...
○ まずは、担当者から連絡し、状況を把握して以下の対応を
とるかどうか判断する。
(1) 簡易な督促状の送付(普通郵便・FAXなど)
(2) 督促状の送付(内容証明)
(3) 取引額の制限、保証金等の担保提供の増額、社長による
個人保証など求めるかどうか判断する。
(4) 法的な手続きに入るかどうか検討する。
5. 請求書の発行、集金、督促は迅速に行う。
○ 請求書の発送、集金の期日は必ずとり決め通りに行います。
得意先からクレームがあった時の値引き処理、請求書再発行
等も迅速に対応し、相手に支払を遅らせる口実を与えないよ
う心がけます。
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