以下、京都府中小企業団体中央会からの報告です。
京都府の景況 ?募る先行き不安感、寒波も悪影響
前月同様に、中小企業を取り巻く経営環境に不安材料は多く景況感は悪化、
先行き不安感は募るばかりである。また1月は寒波の襲来が客足に影響を与え
ており、消費が低迷する中、小売業・商店街・サービス業は一層厳しさの増す状
況となった。
◇製造業◇
・繊維工業 =需要が停滞しており強い起爆剤が必要であるが、今のところ混
迷状態である。
・出版、印刷 =前月同様に低迷が続いており、厳しい状況で推移している。
・鉄鋼、金属 =業種にかかわらず良くない状況で、全体として売上が下がって
いる。原因はやはり昨年のヨーロッパの経済不安、タイの洪水が未
だ尾を引いており、長期化している円高により大手企業が海外シフ
トを更に強化している。
・一般機械等 =大手企業のグローバル化が加速している。下請型中小企業に
おいて、韓国・中国等海外企業が競合先となってきている。好況で
あった半導体にも陰りが見え、円高、国内市場の低迷等の要因が
大きく圧し掛かってきている。
・その他製造業=プラスチック製品製造業界では、概ね円高、欧州経済の減速、
タイの洪水等の影響下、受注は動きが弱まってきている。ただし、自
動車関連の回復と東日本震災がらみの復興等の需要が出てはいる
が、コストダウン要請で採算悪化が避けられない状況である。
◇非製造業◇
・卸売業 =生鮮食料品卸売業界では、寒波の襲来による天候不順が続き、
入荷量の減少に直結している。繊維衣服等卸売業界では、寝具関係
は震災特需があったことは間違いないが、和装・洋装も追随できるか
と言えばそうではない。
・小売業 =自動車小売業界では、エコカー減税により新車受注は増加してい
るが、製造の遅れがある。燃料小売業界では、寒波の影響もあり暖房
用灯油の出荷は順調に推移、主力商品のガソリン消費量は、自動車
の燃費向上やバイオエタノールの普及などによる需要構造の変化が
響いている。
・商店街 =今年は例年より寒さが厳しいためお客様の出足も悪く、売上に悪
影響を与えているようである。また、商店街周辺の大型スーパーによる
チラシ、安売り合戦は凄まじく、連日のチラシ攻勢を被っている。
・サービス業 =旅行業界では、例年1月は低調であるが、本年は年末年始のカレ
ンダーの並びが良くなく、また予想以上の天候不良(雪が多い)のため、
顧客の出控えがあったのではないかと思われる。
・建設業 =他府県業者が参入し安く請け負うこともあり、単価が安く収益があが
らない状況で、仕事はあるが安売り競争になっている。
・運輸、倉庫業=燃料単価は引き続き上昇している。道路旅客運送業界では大規模
のイベントや行事があれば一時的に収支は改善するが、長期的に見ると
ほぼ横ばいの状況である。
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