京都府の景況 (懸念されるタイ洪水被害の影響)
全体の景況 =中小企業を取り巻く経営環境は依然厳しい状況の中、タイ
の洪水被害の影響が懸念されている。各業界・企業におい
て打開策を見出す取り組みが行われているものの、景気回
復の明るい兆しが見えず先行き不安感は増している。
◇製造業◇
・繊維工業 =現在でも非常に悪い状態であり、これ以上悪くなることは
ないと思われるが、先行き受注に関しては厳しい状況が続
いている。
・出版、印刷 =前月は多少であるが仕事量が増加傾向にあったが、再び非
常に厳しい状況にある。
・鉄鋼、金属 =長引く円高により先行不透明感が益々つのっており、先行
き不安を感じている企業が多い。また、10月中旬から起
きているタイの水害による影響が今後出てくると考える。
・一般機械等 =大手製造業のタイ現地法人の操業停止状態が、中小製造業
に直接あるいは間接的に深刻な影響を及ぼしている。復旧
には数カ月要することが予測され、予断を許さない。府内
の中小製造業においては、東日本大震災よりも影響が大き
いと思われる。
・その他製造業=プラスチック製品製造業界では、電気・電子部品や精密機
器部品は、円高・海外経済減速・タイの洪水の影響により
受注は鈍ってきている。しかし、自動車関連は回復してき
ており、LED関連は増加傾向にある。
◇非製造業◇
・卸売業 =繊維・衣服等卸売業界では、前月と状況は変わらず苦戦が
続いている。機械器具卸売業界では、タイの洪水被害の影
響で、工作機械も何千台と浸水し、日本国内でも工作機械
メーカーが品薄となり、サービスの低下等の影響が起こり
つつある。
・小売業 =燃料小売業界では、前月に続きガソリンの内需が頭打ちと
なり、店頭価格も9週連続で値下がりとなっている。10
月に組合員3社が経営環境悪化を受け、サービスステーシ
ョン業務を廃業、今後ともに増加する見込みである。
・商店街 =10月に入っても景気は下降するばかりである。円高の最
高値を記録し、消費者の財布の紐は締まる一方である。ま
た、新聞のチラシでは量販店の安売り合戦が続いており、
デフレを助長している。
・サービス業 =旅館業界では、修学旅行を除き宿泊は例年より少ない状況
である。また、外国人客の宿泊は相変わらず少ない状況で
ある。
・建設業 =一度は復調の兆しがあったが、そのまま伸びずに低調に戻
ってしまった。
・運輸、倉庫業=運送業界では、荷動きについては、好転した様子はない。
燃料価格は値下げされているが、今後の明るい見通しはな
い。倉庫業界では、保管貨物の全体の動きは、10月分の
入庫は増加傾向にあり、出庫は動きが小さいことから保管
残高は前年に比べ増加傾向となっている。
2011年11月21日 月曜日|09:20 AM|景況感|
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