相続により取得した土地を売却した場合に、売却益が生じたときは譲渡所得が課税されます。相続により取得した土地に関しては「取得時期及び取得価額を引き継ぐ」とされており、被相続人が購入した金額(不明な場合は譲渡価額の5%)と譲渡費用の合計額を譲渡対価から差し引いた金額が所得税の対象になってきます。
と、ここまでは一般的な今までの考え方なのですが、 これに異議を唱える方が 出てこられ、去る12月に国税不服審判所の裁決が出されました。
内容は、相続時に時価課税されており、その時までの含み益は課税済みなので、相続時点から売却時までの値上がり益にのみ課税を行うべきだというものです。これに対し不服審判所は 所得税法は取得価額引継ぎ方式を容認しているとしてNOとして請求を棄却しました。
この審査請求には伏線があります。最高裁判決で、生命保険の年金受給権について相続時までは課税済みという判断がされ 課税庁が敗訴しているのです。この判決時に土地等についても 同様の考え方が成立してもおかしくはないと思われていたのです。ですからある意味予想された請求であり、また不服審判所の立場から棄却されるのも予想どおりです。
この問題は今後裁判所に場所を移して争われるでしょう。どのような結論が出るのか見守っていきたいと思います。
なお、時節柄時間を使って調べることが困難なため、落ち着いたころにもう少し深めて判例・裁決等に書き込む予定です。
2012年02月24日 金曜日|03:33 PM|確定申告 節税|
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