以下、京都府中央会からの情報です。
京都府の景況 ー天候不順も大きな影響与え、厳しい状況ー
長引く円高、原油価格の再度上昇、激化する価格競争など不安材料
の多い経営環境を強いられている中、局地的な大雨や猛暑等の天候
不順も大きな影響を与え厳しい状況で推移している。一部で持ち直し
つつあるものの、先行き不透明な状況に不安感は拭いきれない。
◇製造業◇
・繊維工業 =洋装関連・和装関連ともに、先が全く見通せない状況が続いてい
る。ネクタイ関連は、今年のスーパークールビズにより、数年前からの
クールビズで弱まっているところに拍車がかかり、死活問題となっている。
・出版、印刷 =低価格で短納期の仕事が多く、また、仕事が他府県にまわるケー
スが増加しているように思われ、対応に苦慮している。
・鉄鋼、金属 =8月度の状況は、長期休暇もあって全体的に良くない。電気・電子
関係は相変わらず低迷したままで、設備関係もまだ良くない。また、7
月まで好調であった自動車関係も8月に入って受注が落ち込んできて
おり、先行きが不安定となっている。
・一般機械等 =生産拠点の軸足は東南アジアに移りつつあり、もはや中国・韓国
は生産拠点ではなく巨大市場であり、強力なコンペティターとなってい
る。両国の製造スキルは飛躍的に伸びており、中小製造業にとって大
きな脅威となっている。
・その他製造業=製茶業界では、8月中旬におきた京都府南部集中豪雨により茶
畑にかなりの被害が出ており、来年度の生産への影響が懸念され
る。プラスチック製品製造業界では、受注は円高と海外の景気減速の
影響を受け家電製品や電子部品関連は低調に推移しているが、自動
車関連は持ち直しの動きが持続している。
◇非製造業◇
・卸売業 =生鮮食料品卸売業界では、天候不順(台風・大雨・猛暑) により入
荷量は約250トン減少、薄商いとなった。繊維・衣服等卸売業界で
は、川上と川下を比較した場合、川上の経営状況が悪い。中小企業
金融円滑化法の期限切れに対して不安要素が残る。
・小売業 =写真機・写真用品小売業界では、大手量販店が価格を下げてしま
うことにより、ある程度価格を下げないと販売できない状態になってい
る。自動車小売業界では、エコカー補助金の影響により昨年の震災バ
ブル期と同様の需要があるものの、補助金終了後の対策が必要である。
・商店街 =7月は上向き加減の景気であったが、8月に入り、商店街の人通り
は夏休みやお盆があり、また酷暑も相まって少なかったように思う。
・サービス業 =旅館業界では、宿泊者数が大変落ち込んでいる。昨年の反動と関
東方面へ流れているとの情報もある。旅行業界では海外旅行が対前
年同月比91.7%と落ち込みが激しく厳しい状況である。
・建設業 =造園業界は、税制に左右されることが多い。相続税により個人住宅
は庭と共に減少して顧客を失うことになり、消費税を課すことになれば
景況がますます悪化するのみならず仕事も減少するものと思われる。
駆け込み需要を望む業種ではないため状況は厳しい。
・運輸、倉庫業=道路旅客運送業界では、8月度は猛暑が続いていることもあり、
近距離でもタクシーを利用する傾向がみられる。観光においては、「京
の七夕」、「五山送り火」などのイベントや行事もあったが、東北復興や
東京スカイツリーの方に人が流れたり、オリンピックの影響で特に夜間
の人出が昨年程ではなかったように感じる。
2012年09月25日 火曜日|10:52 PM|景況感|
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