京都府の景況 ー不安材料多く、景況感は悪化ー
全体の景況 =原発問題・急激な円高・長引く消費低迷など不安材料が多
く見られ、景況感は悪化している。不透明な先行きに不安感は一
層増しており、更なる迅速かつ有効な支援策が求められている。
◇製造業◇
・繊維工業 =購買意欲が著しく減退している中、続いている生糸等原材料
の高騰も商品に転嫁できるはずもなく、苦しい経営が続いている。
この状態がいつまで続くのか、全く先が見えない状態である。
・出版、印刷 =受注量が大きく減少、出版・印刷の不況及び消費者ニーズ
の変化によるものと思われる。
・鉄鋼、金属 =5月から自動車関連を中心に回復の兆しがはっきりと表れ出
し、順調に受注が(80%?90%)回復してきたが、7月に入って
全体的には回復が緩やかになってきているようでもある。
・一般機械等 =急激な円高が継続するなか大手製造業において、部材の海
外調達が加速している。また、中国を中心としたアジアの巨大市
場をターゲットとする製品の製造拠点を海外にシフトする動きが
活発化しており、下請型中小製造業の経営環境は非常に厳しく
なってきている。
・その他製造業=プラスチック製品製造業界では、震災直後の大幅な減産は
回復傾向にあるが、7月の受注量は円高の影響で全体に芳しく
ない。製茶業界では、大手飲料メーカーのペットボトルの原料を
西日本の方で手当したため、京都においては受注数量は1割弱
増であったが、その取引額は平均で4割高であった。
◇非製造業◇
・卸売業 =機械器具卸売業界では、商品の受注はあるが、円高のため
景気が低迷している企業もある。繊維・衣服等卸売業界では、
東日本大震災の影響により、廃業する取引先が出てきている。
先の見通しがつかない廃業が多く、政府等に素早い対応、処置、
見通しを要望する。
・小売業 =家電小売業界では、アナログ停波前に地デジテレビの駆け込
み需要が多くあり、小型テレビ32型以下が品薄状態となり、納
品が8月になるケースも多くあった。米穀小売業界では、米の相
場は高値で品不足が続いている。
・商店街 =7月初旬までは、ボーナスや年金の影響で景気は少し上向い
ているかのように思えたが、円高が各メディアで報じられるととも
に、景気はまた後退したように思う。
・サービス業 =旅館業界では、景気・震災・原発・円高等の影響により、例年
の状況まで回復していない。全体的には10?20%減である。
情報サービス業界では、東日本大震災の影響による機材・部品
の調達、流通は改善しつつあるものの、数量的には確保できて
いない。
・建設業 =世間の業況に比例しての業況の悪さと理解している。今後の
見通しについては、特段良いも悪いもないが、停滞感に近いと
思われる。
・運輸、倉庫業=運送業界では、荷動きについては、好転した様子はない。
燃料価格については、一部で1円未満の値下げはあるものの、
円高による価格への影響はなく、投機筋での価格上昇があり、
今後は値上げされる傾向が予想される。
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